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あくまで、私パリなかやまのケースです。

どのレベルならその曲を習得したと言えるのか?これは一概に言えません。

お客さんが喜べば成功です。がっかりすれば失敗です。

流しはその前提を理解し、自信を持って披露できるよう準備することが大切です。

お客さんにリクエストされたけどできなかった曲、知らなかった歌、いま売れてる歌やリバイバルした歌、などなど、流しが曲を仕込むときには、何か理由がありますが

モノにするための手順はだいたい同じです。

①よく聴く

まずは歌手のオリジナル録音で、それからカバーがあればそれも聴く。いろんなバージョンを聴いたほうが良いでしょう。弾き語りのギター一本でやるわけですし、歌手も本人とは違う人間がやるわけです。自分にできうる解釈、表現を、本家以外のカバーバージョンから探ることもできます。特に異性の人のカバーなどは参考になります。そのうちに何気ない時にメロディや歌詞が頭をよぎるようになります。鼻歌でぜんぶメロディがなぞれるくらいになればOKです。

歌詞とコードを書き出す

いきなり全部覚えることはできないので、自分がぱっと見て演奏できる程度の目安楽譜をつくります。音源、歌詞やコード進行、完全な楽譜までネットで知ることができる便利な時代です。私の楽譜は、歌詞とコードだけです(オタマジャクシを瞬時に読む能力が無いので)。コード書くということは予めキーを決定しなければなりません。これは大体であたりを付けます。ギターにはカポという便利な道具があります。このカポによりキーを上げることができますので、後々に調整しやすいよう自分の歌える高音の限界より少し低めで抑えやすいキーにします。カポはカラオケの+1ボタンを押すように、体調や周囲の音環境によって使うと便利です。

③録音してチェックする

正しく曲を覚えないと後々困ります。よく聴いて覚えたはずなのに、勝手に違うように歌ってしまっていることが多々あります。早い段階で録音してみて、正しいものと聴き比べてみましょう。上手い、ヘタはとりあえず気にしないでおきます。まずは音符上の間違いをチェックします。早いうちに気づかないと、定着して元に戻りにくくなります(傲慢なことにオリジナルよりしっくりきてしまう)。またキーの選定をするのにも録音は役に立ちます。もちろん、まず当人が無理なく歌えるか?という点が大事です。次に聴き手として録音を聴くことが大切です。キーを上げ下げして録音してみると、しっくりくるキーが見つかります。

④毎日演奏する

①~③を踏まえ、諸々フィックスできたら、どんどん演奏していきます。弾き語りと言えど、そのやり方、アレンジは無限にあります。ギターはリズム楽器でもあります。ベースのリズムも自由で良いのです。いろいろ試してみましょう。僕の常連さんには「何か練習中のやつ聴かせて」という方もいます。もちろんそういう機会に聴かせるのも良いですし、頼まれなくても、流しには待ち時間、空き時間もあります。新規の曲を練習する時間に充てると無駄なく過ごすことができます。コツなどはありません回数です。新しい曲にはひたすら演奏して慣れる方策しかありません。やがて楽譜を見続けなくても余裕をもってできるようになります。

⑤暗譜で演奏を可能にする

じゅうぶんに演奏にし慣れた曲であっても、トライしていかねば暗譜はできるようになりません。見ながら読みながら演奏することが当たり前になっていると、いざ無しだとすぐに躓いたりするものです。次のステップは暗譜です。ぜんぶの曲を暗譜することは難しいと思います。しかし、よく歌う曲はコードも歌詞も何となくは頭に入っているんですね。順序だててちゃんとできるか、という問題だけなのです。こればっかりは自分で模擬試験をするしかありません。もちろん勇気があれば人前でイキナリ暗譜で挑むというのもアリでしょう。緊張感のある場面で間違えたりツッカエたりした箇所は、より記憶に残りやすく覚えます。

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更新日:2020年1月5日


現代社会ではあまり馴染みのない流しの仕事ですが、とても簡単な仕組みで成り立っています。具体的には下記3つの条件を満たす必要があります。 ①売物があること ②場所があること ③需要があること それでは説明をしてまいりましょう。

 

①売物があること 商売をするなら、なにかを提供しなければなりません。我々ギター流しで言えば、音楽であり伴奏であり歌であり、生演奏であります。マジシャンの流しであれば、手品。占い師であれば手相占いや星占い、マッサージならマッサージ。売物を定めることです。そしてしっかりと「これを売っています」「これを提供します」と表明し、また世間に分かるようにしておくことが重要です。 ②場所があること

さて売物が定まったら、どこで売るのかを決めます。自分の売物を買ってくれそうなお客さんがいるか?量的に自分の求める売上が確保できそうか。チップをもらえる客数、客層があるのか?治安はどうか?経費はどのくらいかかるか?などをチェックします。

また、流す場所を勝手に決められるとは限りません。その街、お店、横丁などで流し商売ができるかどうか?をしっかり確認し、しかるべきところに許可をとらねばなりません。個々の店舗の理解や賛同も不可欠です。

基本的に流しは個人事業で、全方位に気を使う必要があります。これは平成流し組合が定めた義務や押し付けではありません。商売をする上での常識みたいなものです。きちんと誠意をもって、挨拶やお願い、応対をしていく。それらの態度・行動によって流しとして生きる場を初めて得られます。このステップを理解しないと結果はトラブルまっしぐらです(実例多々あり)。自らの行動が自らを守ります。

③需要があること

①②の要素が揃ったところで、いざ流し始めて「想定してたより需要がない」という可能性もあります。ただ需要のあり/なしを断言的に見分けるのは結構むずかしいです。お客さんの全体数、流しを楽しむ人数、リクエストする人数、リクエスト数、チップを払う人数、チップの額、いろいろ要素があります。簡単に言うと、仕事として続けていけるだけの売上がたつか?ということが一番の重要事項でしょう。流しとして生きていけませんから。 30人の客数で、10人からリクエストがある。 300人の客数で、11人からリクエストがある。 100人の客数で、20人からリクエストがある。ただしチップが少ない。 上記のようなことがあります。また1人からのリクエストがたくさんある場合もあります。リクエストは少しなのに、たくさんチップをくれる人もいます。 どこで何をやるにせよ、何かしらの需要が必要です。それが本来の自分が売りたい見せたい聴かせたいものであるかどうか分かりません。人間として親しまれ義理でリクエストをもらう、などということも大いにあります。流しにおいてはそれも需要だと思います。

流しの仕事術 代官山ブックス


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