平成流し組合_Heisei Nagashi Group
やっぱり、流し。
心に沁みる生音の刺激。
流しを知っていますか?
ギターを担ぎ「こんばんは、一曲いかがですか?」と酒場の戸をたたく。お客にリクエストされた曲を演奏し、チップをもらう。
流しのイメージは、これでだいたい合っています。
昭和の時代、流しは日本中にいました。新宿だけでも数百人の流しがいたそうです。しかし、1990年代以降、この街の音楽家は激減します。衰退の原因はいくつかあるようですが、とにかく現在、街で流しに出会うことはほとんど無いでしょう。
私も流しにあったことがありませんでした。
ところが、ひょんなきっかけでギター流しを始めることになりました。私は「パリなかやま」の名で巷(ちまた)の芸能人になったのです。
そして10年が経ちました。
音楽は、楽しみであり、
幸せであり、心の栄養です。
ギターなどの楽器で生音生伴奏をし、時に自分も歌う流しは、歌と人を、人とお店を、人と人をつなぎます。流しは、許可さえいただければ、酒場でなくとも、カフェでも、公園でも、船上やバスの中でも、まち中(じゅう)が演奏の場になります。
日本全国に流しが再び根付いて、才能・魅力のある音楽家たちの活躍の場が増えたらどうでしょう。まず「流しになることが音楽家への道」と、音楽家、歌手、アーチスト達に認知され、それを受け入れる仕組みが日本中にあったらどうでしょう。
「うちの店には、うちの街には、彼が、あいつが、あのこがいる」
街が芸能人を育て、酒場がデビューの場になる。そうなれば、流しが地域の自慢、財産にもなります。
いまや珍しくなってしまった「流しのいる街の風景」が当たり前の世の中になれば、人も街も、もっと明るく楽しくなって笑顔が増えると思うのです。
流しが日常に音楽を解放する
平成流し組合を設立した理由は、「流しという生演奏の仕事」を職業保全するためです。すでに絶滅危惧種の仕事です。
100年前はレコードもテレビもネットもありません。歌や音楽を楽しみたければ、生の演奏を聴くしか方法がない時代です。アンプもない、生音・生演奏です。夜の繁華街で、流したちは身近に音楽を聴かせてくれる存在でした。人と音楽の距離が近く、人と音楽とまちが一体でした。
現在、プロの音楽家の道は、大変おおざっぱに言えば、次の3種類しかありません。
①音楽家(アーティスト、演奏家)
②教える人(各種ティーチャー)
③つくる人(作詞家、作曲家、プロデューサー、演出家など)
①にあたる人たちは、全体の1%もいません。
流しの演奏の場が増えれば、ミュージシャン・アーティストが生きて行くもう1つの世界が生まれます。
それは、言ってみれば、現在のクローズドなメディア芸能界からの音楽の日常解放なのかもしれません。流しが、そのきっかけをつくることができれば、との思いがあります。
平成流し組合は、
①音楽家
②お店や街の方々
③お客さま
の3者が幸せになる仕組みであり、プロの芸能人が手軽に来てくれるチャンネルなのです。
流しの仕事は楽しくておもしろい!
私は、2008年に流しを始めました。
先輩の音楽家から「やってみないか?」と誘われたのがきっかけです。
流しなんて、自分に務まるのだろうか?
このご時世で成り立つだろうか?
自分の演奏力で、お客さまに満足して喜んでいただけるのだろうか?
当時は、クラウンレコードから音楽ユニット「コーヒーカラー」としてメジャーデビュー(2004年)して4年目。音楽業界ではミリオンヒットが生まれにくくなり、各レコード会社ではリストラの声が聞こえるようになっていました(社員もアーティストも縮小傾向でした)。
厳しい現実を前に模索する日々の中、この滅多にない機会を活かそうと、私は思い切って挑戦してみました。
そして 結果、流しの仕事は想像以上に、とても楽しかったのです!!!
流しは、お客さまとの距離がとても近いです。自分の演奏・歌が伝わるのも、それに対する反応もダイレクト。そして聴いた人の感動や喜びに応じて演奏料が発生します。非常にシンプルです。この流し体験は、私に1つの答えをくれました。
これなら1人でもプロを継続できる!
もしかすると、これが本来の音楽家の仕事なのではないか。
これぞ本物になるチャンスなのではないか。
プロ音楽家の生の演奏を聴くためには、コンサート会場やライブハウス・ジャズバーなどに行かなければなりません。
リアルな演奏は聴きたいけれども、そうした特別な「音楽の箱(空間)」には行かない、行きたくても行けない人たちもいます。
私が流しデビューをした東京の下町、江東区の亀戸は、まだ流しの記憶のある場所でした。
「久しぶりに流しの生歌を聴きたかった!」
私はその声に、音楽家、街の芸能人として確実な需要を感じたのです。
流しは、基本サービス業である
流しは、演奏技術+接客技術で人を喜ばせる仕事人(プロ)
です。お店から演奏の許可をいただいた上、迷惑をかけず、むしろお店に貢献すべき仕事です。
流しをやってみて、その仕事の魅力は
(1)様々なシチュエーションでの生演奏
(2)人との出会い
①流しと店との出会い、②流しとまちとの出会い、③流しとお客さまとの出会い、④お客さま同士の出会い(流しが引き合わせる、その場のお客さんの音頭をとる)
(3)成果が目に見える
“その日暮らし”で持ち越しがないうえ、自由! 仕事の日時や頻度も含めて全て自分で決められます。
新しい生演奏消費シーンの創出
近年は、個人が作品や、その演奏を発表できる機会も増えました。インターネットを通じて世界に発信できます。YouTuberというパフォーマーも生まれました。
音楽の制作コストは下がり、つくるのにお金はかからなくなりました。その分、儲けも生まれにくくなっています。
娯楽は多様化し、人々の好みも細分化しています。かつてのように、TV視聴人口も減り、コンサートに人を集中させることも難しくなっています。
生演奏の消費シーンが減っているのです。
しかし、この流し業界は、現在ブルーオーシャンの売り手市場です。ここに、技術と情熱を持つ音楽プレイヤーの「新しい市場」があります。
流しは主に、飲食店や商店会に御世話になります。
したがって店舗の数だけ、お客様の数だけチャンスがあります。そして、完全歩合、実力主義の世界であり、各流しは個人事業主です。
お客さまの反応がすべてです。
お客さまの反応が答えであり、評価の全てであり、それが対価になります。
そこに、やりがいと楽しみがあります。
平成流し組合代表 パリなかやま heisei-nagashi@hotmail.com
流しのご案内
このホームページは様々な立場の方がご覧になっていると思います。
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